2018年10月号「天体観望 時々 星景写真」

最近は、星空観望が楽しくてたまらない。

手軽に観望する方法としては、 日本公開天文台協会のページhttp://www.koukaitenmondai.jp/observatory/observatory.html
全国プラネタリウム & 公開天文台情報 (PAO Navi) https://paonavi.com で知ることができる。

こうした施設は料金も安く、天文イベント(火星大接近)時を除くと、落ち着いた観望や天体写真撮影講座などの参加者募集も多い。 また、ペンションや民宿に併設された小型の天体観測施設も全国にはたくさんある。ペンションのオーナーさんの詳しい星空解説や天体写真など、また、雨天でもドーム内の見学や天文に関する話なども期待できる。

個人で小さな天体望遠鏡を所有するとより楽しみが増える。金星は継続観察すると満ち欠けが楽しい。火星も接近時にはその模様が最接近時前後2ヶ月間は楽しめる(今年は大黄雲がざんねん)。木星は縞模様が観察できるし、4大衛星に目を向けるとその動きも確認できる。 http://www.ncsm.city.nagoya.jp/astro/astrotool/juptool.html

圧巻は衛星と木星の食だ。先のページからは、観測地や時刻を入れると食の時刻などが簡単に分かる。まずは、潜入の観察。予定時刻の1時間前くらいから天体望遠鏡を木星に向けると、衛星が木星に近づく様子が分かる。途中で倍率を上げて木星に衛星が潜入する瞬間を目撃すると、思わず大声を出したくなる。  月は、天体観望の主役だ。最近は通信環境が整っている場所も多く、ドーム内でもタブレットPCで簡単にクレーターの名前を知ることができる。 http://www12.plala.or.jp/m-light/Atras.htm

2018年6月から8月のように、一夜で、水星、金星、火星、木星、土星を見ることができること(夜半過ぎまでがんばると、天王星、海王星)もある。 火星、木星、土星は春先から秋口までその位置の違いを楽しむことができた。

九州在住の私にとって、北海道での北極星の高さにはあ然とする。もっと、北上し頭上に北極星がくると周りの星座も向きが違う。おおぐま座が森をのっしのっしと歩く。一晩中見ていても飽きない星景になる。

赤道を越えると星座さえも分からなくなる。しばし、天の川の濃さに呆然となり、宇宙に居ることを実感する。自分の少ない知識で分かる、みなみじゅうじ座。向きが違うがからす座とおとめ座。国内ではからす座の下(南)にみなみじゅうじ座があると知識では知っていても実際に見ると感激してしてしまう。

9月にオーストラリアのチラゴーに行ってみた。チラゴーは星見の人気スポットのひとつだ。 http://www.coel.com.au

ここで星を観望したり、写真撮影をしたりしている日本人は多い。 ほぼ、真っ暗な星空を期待することができる。 日本国内では難しくなった黄道光は、星の撮影の邪魔になるくらいだ。

近隣には奇岩も多い。

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チラゴーでは、飛行場跡地の近くの野原に天体望遠鏡を据え付けて撮影をする。ワラビーがたくさん出てくるし、トイレもエコロッジに戻らないとならない。 軟弱な自分は、TWINSTAR GUESTHOUSE & OBSERVATORYもお気に入りだ。 敷地内にフェンスで囲まれた観測スペースが準備されている。 ここでは、逆さにされて昇ってきたオリオン座は、頭からダイビングして地平へと沈む。

大きな天体望遠鏡や双眼鏡(10cm)も準備されている。星図で対象を探しながら天体観望をすると薄明があっという間にやってくる。 さあ、今夜も天体望遠鏡を去りゆく火星に向けて楽しもう。

著者:金子 三典(かねこ みつのり)
福岡県在住 星景写真協会 会友