星景写真を撮影するにあたり「地上の風景」は必要不可欠な存在です。しかし地上の風景といっても街並み、海辺、山…色々とありますが、私の場合「目で見たままの星景色を収めたい」という思いがあります。そうなると都会を離れ光害の影響が少ない場所である高原や山に出かけて撮影することがほとんどです。遠征した場所で出逢った星景色の「空気」を作品を通して伝えることが出来れば、という姿勢で日々作品づくりに取り組んでおります。
遠征先で撮影する際、作品のアクセントとなるアイテムとして「樹」があります。樹は星空と地上の景色を結びつける「架け橋」のような存在です。従って私の写真には樹を積極的に取り入れているものが多いです。自分の気に入った樹を見つけると更に撮影意欲や向上心が湧いてきます。
-星降るフィールド- 撮影地:オーストラリア
また2003年頃に友達に誘われて登山を始めました。3000m級の稜線から眺める雲上に浮かぶ星景色は地上のそれとは違い「宇宙の中にある地球」という存在を肌で感じる事ができます。その荘厳な景色に出逢いたいため次第に山岳星景にのめり込んでいきました。今のところ小屋泊の夏~秋山登山が主ではありますが、経験と体力をつけて雪山の星景写真も挑戦してみたいと考えております。
-穂高に舞う冬- 撮影地:北穂高岳
星景写真は基本的に単独で撮りに行くことが多いのですが、撮影場所によっては気心の知れた撮影仲間と行くこともあります。そんな時、撮影している仲間の後ろ姿をこっそりと撮影したりしてます。また撮影遠征の記念として参加した皆と星景スナップ写真も撮ったりします。星を見ている姿、真剣に撮影する姿、皆で楽しんでいる姿と星景色のコラボレーションは思いのほか臨場感のある作品に仕上がります。皆さんも試してみては如何でしょうか?
-それぞれのスタイル- 撮影地:北横岳
星景写真を撮るにあたり、漠然でも善いので自分が撮りたいテーマを決めると取り組みやすくなると思います。自分がどんな写真が撮りたいのか?星にどんな風景を取り入れた写真を撮りたいのかを思い浮かべ、そして積極的に色々撮ってみる事が大事だと思います。
著者:古勝数彦(ふるかつ かずひこ)
八王子市在住 日本星景写真協会理事
1999年頃から星景写真を撮り始める
近年はカメラを投げて撮る撮影方法に力を入れている
-乗鞍剣ヶ峰にて-