新年おめでとうございます。
新しい年が皆さま方にとりまして幸多き年となりますよう心よりお祈り申し上げます。
本年もよろしくお願いいたします。
私は、故郷の鹿児島を離れ、北九州市という街に来ました。
いろんなご縁もあり、かれこれ20年近く科学館での星空観望会のお手伝いなどもしています。
街中ということで、暗い天体は難しく、月や惑星、二重星と言った明るい天体が中心となってしまいますが、それでも多くの皆さんに楽しんで頂いています。
カメラ付き携帯電話が出た頃からでしょうか。特にここ数年、スマートフォンの普及もあってか、コリメート法(望遠鏡のアイピースを目で覗く代わりにカメラで撮影)での月撮影が、大人も子供にも人気だったりします。中には頑張って惑星を撮影する方もいらっしゃいます。うまく撮れた時は皆さん嬉しそうで、見ているこちらも嬉しくなります。
昔と比べると、天体を撮影するという行為の敷居そのものが、低くなってきているように感じられる時です。
そんな観望会に来られる方からよくあるのが、
「望遠鏡ってどんなものがいいの？」とか、
「この辺だと何処に行くと星がよく見えるの？」
と言った質問だったりします。
望遠鏡については本サイトとはちょっと話がずれてしまいますので、割愛いたしますが、後者に関しては、市内近郊の場所をいくつか紹介したりもします。また、自宅に帰った頃だともっと良く見えますよと、答えたりもします。街中でも時間が遅くなると、意外と星が見えたりするものです。
そんな地元の方なら当然良く知ってる場所で見上げる星空。ここでもこんなに見えるんだ。などと思ってもらえると嬉しいなぁ、といった撮影が最近の撮影テーマにもなっています。
例えば、夜景だけでなく星空も楽しめる皿倉山山頂。ここでは別の天体観望会もやっているので、時々そっちも手伝ったりしています。ほぼ360度開けた視界が広がっています。
その皿倉山への登山口もある市街地と反対側に位置する河内貯水池。官営八幡製鉄所の鉄鋼増産態勢に対応するための工業用水確保を目的として建設されたダム湖です。年に数回程度ですが、天の川がうっすら見らることもあります。
春には昭和池公園では桜とともに。広場をぐるりと桜が取り囲んでいて、桜の季節は花見客も多いところです。
そして、星を見に行く場所としてよくお話しするのが、平尾台というカルスト台地。ここは昔から星見に訪れる人も多く、流星群のニュース等あるとより多くの人が集まってきて、大渋滞する事もあります。
最近は、カメラを構えて星景写真を撮られている方を以前より見かけることも多くなりました。初めての撮影だったりで困っていそうだったりすると、ちょっと声をおかけして、撮影のお手伝いを…などと言う事が幾度かありました。
最後に観光地でもある門司港。冬場のイルミネーションなどが賑やかな場所ではありますが、レトロな街並みと星空をうまく切り取れれば面白いだろうな。と、チャレンジ中です。
今回はちょっとした北九州観光案内をさせていただきました。
こんな感じで、星空を絡めて観光案内にもなればいいなと思い、身近なすぐそこにある風景と星空を撮っています。
多くの人達が空を見上げるようになって、照明や光害の事に少し気を使ってくれるようになると、もっと街中でも多くの星が見られるようになるかもしれません。そんな日が来ることを願っています。
著者：福迫 一良（ふくさこ かずよし）
福岡県北九州市在住 日本星景写真協会準会員
北九州星空を楽しむ会 星空案内人
JAXA宇宙教育リーダ(SEL)
北九州市立児童文化科学館 天文ボランティア
http://mikunical.image.coocan.jp/
