2021年4月号「初めての星景写真とミニ個展、そしてASPJへ」

会社をリタイアしたのを契機に、デジカメ写真を本格的に勉強し始めました。手始めにNikonのD800を買って、ニコンカレッジに通いました。

ちょうどその頃、友人に誘われてニュージーランドに星の写真を撮りに行ったのですが、南半球の星空に魅了され、星景写真の虜になりました。自己流で色々な夜の景色を撮って楽しんでいましたが、実力評価のために「10枚の写真でミニ個展をやろう」という梶山博明先生の写真スクールに星の写真を出してみました。2枚づつセットで北半球・南半球を対比させるなど、5組のペア写真を作って評価会に臨んだのですが、意外に好評でした。図に乗って、ニコンプラザ新宿(当時)の「フォトスクエア」展示に応募したところ何と合格してしまいました。

2016年5月の出来事ですが、写真1がその展示風景です。(写っている人は私ではありません、念のため…)

まだ、この日本星景写真協会(ASPJ)のことを知らない時です。星の撮影も自己流で幼稚ですが、当時どんなことに感動したかをお伝えするために、恥を忍んでその時の写真をいくつか紹介させていただきます。

その1:写真2は富士山麓で見たオリオン座、写真3はニュージーランドのタスマン氷河で見たオリオン座です。「南半球では狩人オーリーオーンは逆立ちしているんだ!」と新鮮に驚いたのを覚えています。地球は丸いので南に行くと人々は上下逆さまになって空を見ているので、よく考えると当たり前なのですが・・・

その2:写真4は沖縄県西表島で見た天の川…さそり座が写っています。写真5はニュージーランドのテカポ湖畔の「良き羊飼いの教会」で撮った天の川です。
南の空には、大小のマゼラン星雲や南十字星が写っています。同じ天の川でも違うところを見ているのだと実感しました。

その3:写真6は富士山南麓で撮った星の周回写真、写真7はニュージーランドのテカポ湖半の「良き羊飼いの教会」で撮った星の周回写真です。比較明合成で、できるだけ星の軌跡をたくさん出そうとしました。ちょっとやりすぎですかね。
南の写真を見て「あれ、北極星がな~い」…よく考えたら当たり前ですが、これもまた新鮮な驚きでした。

写真展を見に来てくれた人にこの南北の違いを説明すると皆一様に興味を持ち、驚き、喜んでくれました。写真の持つ表現力、説得力を改めて実感し、もっと深掘りして勉強したいと思いました。
幸運にも、この写真展に来られた日本星景写真協会(ASPJ)の人とお話しすることができ、この協会の存在を知りました。勧めもあり、絶好のチャンスと考えて入会させていただき、また、2017年の総会(新城市で開催)にも出席して色々な人にお会いすることができました。
その後、カメラもD810Aに買い替え、今日に至るまで、会の先輩諸氏の素晴らしい写真に触発されながら、星景写真を楽しんでいます。

「夜空に輝く星々や天の川、オーロラなど… 太古の昔から変わることのない宇宙の営みに我々は圧倒され、自分が地球上のちっぽけな存在でしかないことに気付かされます。
漆黒の闇の中のわずかな輝きをカメラで写し止めるとき、肉眼では見られない様々な色合いや造形を発見し、その神秘的な表情に魅了されます。」…これが私の星景写真に対する熱い想いです。

著者:加藤久豊(かとうひさとよ)(準会員) toyorifure@gmail.com 神奈川県在住
所属:日本星景写真協会、日本風景写真協会、新現役ネット写真同好会、
6Gz心の原風景写真館、樫友会ショットクラブ
HP:https://m.facebook.com/6Gz.Photo.Studio/
https://www.facebook.com/hisatoyo.kato.1