私が星景写真を撮るようになったきっかけは、インターネットでたまたま見つけた星の写真を目撃したことです。何の気なしに一眼レフを買い、何の気なしにいろんな物を撮影していましたが、その星の写真を見て一瞬にして心奪われ、すぐに星景写真の撮影にのめり込んで行きました。
有名な星景写真家さんの写真と、私の撮る写真は全然違う…
そんな葛藤がさらに心かきたてられ、どうしたらあんなふうに撮れるのだろう?と、必死に自分なりに調べました。一眼レフの使い方さえもよく分かっていなかった時からだったのでかなり四苦八苦しました。
■いろんなスタイル
星景写真協会の会員さん方の中でも、いろいろな撮影スタイルがあると思います。星座を把握して、きちんと月の出、月齢、季節や時間、方角などを綿密に計算し撮影に挑む方がほとんどかと思います。ある程度は合致する点もありますが、自分は特に事前準備もせず、思い立ったら行ってみたい場所へ赴き大体の方角、星の位置を目視確認し撮影しています。
それは、事前準備が面倒くさいという点も大いにありますが、基本的には、星がキラキラしているのを見ると撮りたい!という気持ちになり、以前から撮影してみたいと思っていた場所へ行き、その時のインスピレーションに身を任せる、という感性だけで撮影しています。
事前準備さえしていれば… というシーンは何度もありますが、自分にゆとりを持たせ、楽しむことに重きをおく、そんなスタイルでも全く問題ないと思っています。
■偶然の奇跡
ビギナーズラックとはよく言ったもので、練習のつもりで長秒露光をしていたら、画角内に大火球が映り込んだり、 初めての撮影地のその夜に偶然居合わせた美しい景色と遭遇して、とりあえず撮ってみたら以外と画になる作品になったりだとかもあるものです。
初めの頃は、暗くなる前にカメラと三脚をセッティングして、焦点距離と風景を合わせて置くものだと思っていて、敷居が高そうだなと感じていましたが、それはそれで正解なのですが、
心に余裕が無いとなかなか難しいと思います。デジタルカメラが一般的になった今、何度でも撮り直せる、そんな甘い誘惑に乗っかってみるのも楽しみ方の一つだと思います。
■フィルム撮影
しかし、中判カメラなどによるフィルム撮影となると、話は違います。フィルムはほぼ一発勝負ですから、綿密な計算が必要です。経験から導き出した設定値も必須になります。
ただ、私はフィルム撮影を始めたばかりなので経験値も少なく、データもあまり無い状況なので、今はただひたすらいろんな設定で撮影してみるのみだと思っています。そんな中でも、心にゆとりと楽しさを残しつつ、今後も自分なりの撮影スタイルを構築していこうと考えています。
著者:金子 修子(かねこ しゅうこ)
新潟県糸魚川市在住 日本星景写真協会 準会員