2025年1月号「2024年を振り返る」

この1年ほどで起こった出来事について書かせていただきます。2024年の振り返りというタイトルですが、2023年11月からカメラを変えたのでそこから書かせていただきました。

2023年11月

IMG_8867長年使っていたメインカメラをキャノン6DからニコンZ fに変えました。時代がミラーレスに移行してきたのでいろいろ検討した経過と結果をお知らせします。まずはなぜ変えようと思ったのか。

①純正以外のレンズが使えない。

Canonの方針で純正しか使えません(少しずつ開放されていますがまだ少ないです)今の6DでもCanonレンズは1本も持っておらずTAMRON、SIGMAをメインで使っています。そもそも星景用の広角系の明るいレンズは純正では満足できるものがありませんでした。ミラーレスのRFマウントでも同じようなものですから純正しか使えないのは星景写真用としては致命的です。

②暗い場所での構図合わせ

動画を撮る為に購入したソニーα7s3を使うようになってからわかったことです。ソニーにはブライトモニタリング機能があって真っ暗なところでも、地上の風景から星座まではっきりモニター上で見ることができるので、構図を一発で合わすことができます。現在のキャノン6Dでは、モニター上には明るい星がギリギリ見える程度なので、だいたいのところで構図を合わせて撮影してその結果を見て微調整して決めるので、何回か撮り直しがあり、これがかなりのロスになっています。

ですから、次にカメラを買うときにはこのような機能は必須だと思っていました。実はこの機能、富士フイルム、パナソニック、オリンパスなどには普通についています。ニコンはZ9以降スターライトビューという名前で付いています。しかしCanonにはこのような機能はありません。

以上の2点から星景写真用のミラーレスではCanonの選択はなくなりました。

ではどこのカメラにするのか?

僕的には星景写真用としてはフルサイズで高感度に強いカメラが欲しいので以下のメーカーを検討しました。

①SONY

レンズでは一多い選択肢があるカメラです。フルサイズの種類も多く人気もあります。ブライトモニタリング機能もあります。

これは完全に好みの問題なのですが、SONYの色が苦手です。SONYで素晴らしい写真を撮っている方もたくさんいらっしゃるのでこれはほんとうに好みの問題です。また、赤いHα領域の写りがいまひとつなのも躊躇した理由です。

②Nikon

NikonZマウントもCanonと同じように純正レンズしか使えない方向性をとっています。Canonよりは少し柔軟かなという程度です。ところがCanonと違うところはマウントアダプターを使うとTAMRON、SIGMAなどのサードパーティのレンズを使えますし、CanonのEFレンズも使えるのです。Z9以降はスターライトビューというSONYのブライトモニタリング機能に似た機能も備わっています。

③SIGMAfp

このカメラですが8月にお借りする機会がありました。コンパクトで質感がありとても良いカメラで気にいりました。ブライトモニタリング機能のような機能は無いのですが、星座が見えるくらい明るいモニターなので6Dよりははるかに構図は合わせやすかったです。高感度の写りも良く満足できましたが、赤いHα領域の写りがいまひとつでした。SIGMALマウントレンズは星景写真に向いたものがたくさん出ているのでレンズの選択肢ということでも問題ないでしょう。

以上のようなことを考えていたタイミングでZfが発表されました。

◎NikonZfを購入した理由

*スターライトビュー機能搭載

*2450万画素でZ6Ⅱのセンサーをベースなので星景写真向き

*マウントアダプターFringer FR-NZ2で使用可能。

SONYα7sⅢ用レンズはマウントアダプターを使えばCanon,SONYレンズが使える。

〇ところが購入後に不具合がおこりました

ZfにマウントアダプターETZ21Proを使用してSIGMA14mmF1.4(Eマウント)を使用したところ、周辺の星がかなり流れる、ピントがボケるという不具合がおこりました。

いろいろ試しましたが、使い物にならないと判断してマウントアダプターとSIGMAレンズは手放してしまいました。

いろんな方と情報交換しましたが、同じ組み合わせで問題の無い人と問題のある人が出ました。単にマウントアダプターの問題というより、カメラ、レンズも合わせた組み合わせで起こる微妙な問題とわかりました。

後にマウントアダプターにテープを貼って解決するということも教えていただきましたが、星のようなシビアな写真ではマウントアダプターはリスクがあると学びました。

11月24 ~26日

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猫のいる星空カフェのメンバーで名古屋市資料館にて写真展を開催。

clubhouse『猫のいる星空☆cafe』のメンバーで写真展がやれたらいいよねと話していてそれが実現したイベントです。私とapplestarさんとではじめたclubhouseでしたが、自然に今のメンバーになってきて結果的に毎月必ず誰かは天文雑誌に入選していたりする人が多くいて、ZOOMで画像処理勉強会やったりする面白いメンバーです。

声で交流しているととても仲良くなり、今回14人のメンバーで開催しましたが、和気あいあいでスムーズに進行できて、とても楽しいイベントになりました。

IMG_9044aaまた、applestarさんは宇宙・天文好きなので、このようなパネル展示があるのが普通の写真展と違うところかもしれません

2024年1月

sオンラインで学ぶ星景写真講座表題オンラインで学ぶ星景写真講座表題31月のブログで星景写真講座をストアカと言うプラットホームでやることと、岡山と銀座でやった写真展のパネル貸し出しサービスを始めると発表しました。

2022年、2023年と「星景写真ZOOM講座」を開催させていただきました。

これは無料で開催し、InstagramやXで告知したところ50名以上のご参加をいただきました。この内容をバージョンアップした講座を「ストアカ」というプラットホームで1月から毎月のように開催しています。

星景写真の基礎とPhotoshopによる現像の実演で約2時間の講座です。参加者に送っていただいたRAW画像を私が現像してお見せするのが好評です。この講座では私自身も学ぶことが多く、やって良かったなと思っています。

星景写真 貸出します写真パネルの貸し出しは2023年に岡山、銀座で個展を開かせていただいた写真パネルを家においたままになっているのがもったいないと思って企画したのですが、早速浄土平ビジターセンターさんからお問い合わせがあり、7月~9月まで開催させていただきました。

IMG_1380IMG_1399福島県浄土平ビジターセンターにて写真展を開催。

「星空のある風景を求めて」~星景写真家 前田徳彦写真展~

7月20日から9月30日まで開催していただき、アンケートにもご記載いただいたご意見を見てやらせていただいて良かったと思いました。

私はようやく9/14に行くことが出来たのですが、会場にはたくさんの方がお見えになっていろいろお話しできて楽しかったです。写真展の面白さはこれにつきますね。

今も貸し出しサービスは募集していますので興味のある方はお問合せください。

vDSC_3696-強化-NR-G2浄土平の星空

2024年6月

vDSC_1793-強化-NR-5私の現像方法はいつも同じではなく勉強会などを通じて今も変化し続けています。1枚撮りと言うのは変わりませんが、最近はレイヤーで風景と星空分けて現像することが多くなりました。

以前はキャノンの6Dの改造機を使っていました。ニコンに変えた理由の1つに、Hα領域のM42やM8が赤く映ることというのがありました。ここまでずっとニコンを使っていて、改造機よりはずっと全体的な色味はなくなったのですが、ナチュラルな写りで今はとても気に入っています。むしろたまに改造機を使うとちょっと派手すぎると感じます。

2024年7月

IMG_0978vPXL_20240707_140252571.NIGHT小林 幹也さんに教えてもらって、Google pixel4a中古で買いました。これをきっかけにしばしばスマホで星空をとっています。スマホとは思えないきれいな写真が撮れるようになりました。

iPhone13を使っていますが、星空撮影ではGoogle pixelに分があります。

2024年8月ペルセウス流星群

この頃からリアルタイム動画で音楽をSUNOaiによる作詞作曲による音楽を使うことが多くなりました。特にペルセウス流星群で使った流星の詩と言うのはびっくりする位良い曲ができて、AIの進化に驚かされました。

これをきかっけにあまり進んでいなかったリアルタイム動画も再開しました。

YouTube:流星の詩・ペルセウス座流星群2024

https://youtu.be/EE4Jm5OlLdo?si=KVlkslANJ7Dwoo6l

2024年9月

carender1星空のある風景カレンダー2025が発売

おかげさまで7年連続の発売となりました。

2024年10月、11月

vDSC_4875-強化-NRvDSC_4948-強化-NR紫金山・アトラス彗星祭り

久しぶりの肉眼彗星で毎週のように撮影してとても楽しめました

2024年12月

IMG_1985猫のいる星空カフェ宙会議2024年の開催

初めての試みなのですが、Zoomでイベントを開催しました。

内容は4人ゲストによる講座を各40分程。途中には忘年会を兼ねた時間を作って乾杯とざっくばらんな時間を作りました。講座後にはInstagramの星空galleryで年間1番いいねが多かった写真の撮影者を発表してそれぞれ一言いただきました。約50名の人に参加いただき、楽しく過ごすことができました。

1年を振り返りましたが、2025年はどんな年になるでしょうか?

昨年に続き大きな彗星が来てくれたらいいなぁなどと妄想しています。

今年もよろしくお願いいたします。

プロフィール
著者:前田徳彦 (SNSではstarwalker0202)
日本星景写真協会会員、猫のいる星空☆cafe
埼玉県上尾市在住
47年前から星空撮影しており、今も晴れたら毎週末撮影して日曜日の夜にブログとSNSで写真を公開しています。

BLOG,SNS
https://lit.link/starwalker0202

著作
誠文堂新光社:星空風景
翔泳社:星空のある風景カレンダー2025

前田プロフィール写真